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特集

偏愛倶楽部×中嶋峻太 対談


 

「偏愛倶楽部×中嶋峻太(ALMOST BLACK)」の
コラボレーションが実現したきっかけを教えていただけますか?


-内田-
偏愛倶楽部というのを立ち上げようと動いている中で、WWDさんの連載で一緒にコラボできたら面白いんじゃないかと思い、中嶋さんにお声がけさせていただきました。

-中嶋-
「春画」がお好きというのを聞いて、自分も好きだったということと、自分のブランドでは出来ないテーマだったので、面白そうだなと思いました。
 

お互いの印象を教えてください。


-対談前に、中嶋さんの過去のインタビューを拝見してからお会いしたんですが、文面だけだとどんな人柄なのかまではあまりわからなくて。海外にいた経歴や、デザイナーとして関わっているお仕事がたくさんあってとても凄い方だなと思ったのと、ブランド(ALMOSTBLACK)もかっこいいテイストの服が多かったので、最初はめっちゃこわい方なのかと思ってました(笑) 

-中嶋-
よく言われます(笑)

-内田-
実際にお会いしてみたら、本当に受け皿が大きい方で。一緒に作っていくうちにめちゃくちゃ惹かれましたし、実際はおおらかで優しい方でした(笑)

-中嶋-
内田さんは、女優として色々な役を演じられるので、本当はどんな性格なんだろうと想像していました。今回一緒に作ってみて、ちゃんと(Tシャツの)見え方にこだわりがあったり、「これは難しい」などの判断が早く、自分が考えているものに感覚がすごく近かったので、とてもやりやすかったです。

 
 
 

今回のテーマ「春画」はどのようにして決定したんですか?


-中嶋-
純粋にテーマとして「春画」が良いなと思って、「春画」の本を買ったりして歴史を調べてみたんです。ALMOSTBLACKでは、「縁起物」をテーマにすることが多いのですが、「春画」も「縁起物」として扱われていたということだったり、元々お金持ちしか手に入れられなかった「春画」が徐々に庶民の手に渡るようになっていったという歴史的な背景も知って、改めて今回のテーマとしてすごく良いなと思いました。

-内田-
元々「春画」にはとても興味があって、このテーマにしたいなと思っていたんですが、2回目の打ち合わせのときに中嶋さんがすごく沢山資料を調べて持ってきてくださって。このテーマについて、深く知ろうとしてくださっていたのがめちゃくちゃ嬉しかったです。「春画」はユーモアで溢れていて、ただエロいものとして認識されるのではなく、「縁起物」だったり、「勝絵」や「笑絵」など色々な意味があって、そういった背景があって日本に浸透していったものだというのを踏まえてTシャツに出来たのは今回良かったなと思います。
 

5時間ぐらい缶詰状態でデザイン打ち合わせをしたそうですね。
これは難しかった!など悩んだポイントなどがあれば教えてください。


-内田-
ただの「春画Tシャツ」ではなく、私達ふたりが作るからこそできるものっていうのを大事にしましたよね。

-中嶋-
お互いのこだわりを込めて、自分たちが良いと思えるものを作れたのが良かったです。

-内田-
天使のデザインが一番悩みましたよね。コラージュがしたいなと思っていて、色々切り取ったり、アニメと合わせたり試行錯誤して悩んだんですが、まさかの私が最後にパパっとコラージュしたデザインに決まりました。(笑)

-中嶋-
最終的にその作品にかかった時間よりも、その作品のために一緒に考え抜いた時間がすごく大切だと思うんですよね。天使のデザインは、背景を最後に入れたことによって、2Dと3Dの融合みたいな感じで、すごく良くなったと思います。色々試してみて、パッと出来たものが結果的に良いものになったのですごく良かったなと思いました。

 
 
 

それぞれのデザインのこだわりポイントを教えてください。


-中嶋-
本を見ていて、チェック柄がかわいい!となって、この「春画」を選びました。江戸時代のものなんですが、現代っぽさもあって4つ並んでいる感じもかわいいなと思いました。

-内田-
パッチワークで作ったので、和テイストすぎず、カジュアルでもいけると思います。

-中嶋-
黒いパンツでカッコよくも着られるし、デニムでカジュアルに着こなせるので両方いけるんじゃないかなと思います。

-内田-
パッチを高めの位置に縫っているので、女性はインして着てもかわいいと思います!


 

-内田-
このグラフィックは私が作ったんですが、このパッチワークは中嶋さんがやられているALMOSTBLACKでもよくやっている手法なので、ただプリントしているだけではない中嶋さんらしさと、天使の羽の「ニッチ感」だったり、「アングラ感」が偏愛倶楽部らしさでもあるので、コラボとしてはぴったりだなと思っています。

-中嶋-
このパッチワークは、枠を付けているんです。ギリギリに縫ってしまうと、ステッチの色が被ってしまうのでそれを壊したくなくて。フレームに入っているようにも見えますよね。

-それこそ、額縁に入っていてミュージアムに飾られているようなアートとしても楽しめると思います。

-内田-
天使はバックプリントなので、スポーティーに着れると思います。

-中嶋-
前にロゴがあるので、どんな方でも着やすいんじゃないかなと思います。
スカートと合わせてもかわいいなと思いました。

〈手書き〉
 
 

-内田-
これは、2人で選んだ春画をお互い男女別で手書きしたものを合わせたんですが、わざと線を上手く引けないように、左手で描きました。

-中嶋-
僕のバートよりも、内田さんの絵のほうが大変そうでしたね。(笑)

-内田-
あまり和テイストになりすぎないように、ローマ字で手書きの文字を入れていただいたのでかわいくできましたよね。このピンクとブルーの色味もかわいいですよね。
 

最後に、この記事をみてくれた方へメッセージをお願いします。


-中嶋-
もちろん、ALMOSTBLACKが好きだったり、内田さんが好きな方にも気に入っていただきたいですが、ファッションが好きで「春画ってなんだろう?」というところから入ってもらって着ていただけたら良いなと思っています。手に取りやすい価格に設定しているので、若い方にも着ていただけると嬉しいなと思っています。

-内田-
偏愛倶楽部として、「春画」という日本古来の
日本のエロ文化はすごく独特だなと思っていて、それが私の偏愛しているものだったりするんですが、文化や歴史を調べて背景を勉強した上で、今回のコラボが実現できたので、そこが私にとっては嬉しいポイントでした。

-中嶋-
シンプルに「春画」が好きだったので、これまで探していたんですが、中々良いものに出会えなくて。でも今回自分たちがちゃんと選んで良いものが作れましたよね。ボディも一から話して作っていて、ミュージアムショップにありそうな雰囲気だけどしっかりこだわりが詰まっているので、ファッション好きの方たちにも知ってもらえたら良いなと思います。

-内田-
人とあまりかぶらないものを着たい方とかにはおすすめですよね。
男女問わず、国籍問わず、なんの偏見もなく「このグラフィックかわいい!」みたいな感じで手にとっていただけたら嬉しいです!

 
 

【内田理央】
1991年生まれ、東京都出身。雑誌「MORE」レギュラーモデル。
2018年放送のドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)に出演し、同作で第22回日刊スポーツ・ドラマグランプリ助演女優賞を受賞。
2019年にはドラマ『向かいのバズる家族』(日本テレビ系)やドラマ『来世ではちゃんとします』シリーズ(テレビ東京系)で主演を務める。
2021年6月に映画『リカ 自称28歳の純愛モンスター』、7月に舞台『物語なき、この世界。』、10月に『言霊荘』(テレビ朝日)、12月に『岸部露伴は動かない』(NHK)へ出演。
2022年7月には、ドラマ『ロマンス暴風域』(MBS)へ出演、10月には映画『耳をすませば』へ出演予定。
その他、2020年にはYouTube「だーりおCHANNEL」を開設し、多岐に渡って活躍中。






【中嶋峻太】
1982 愛知県生まれ
2003 エスモード・パリ卒業
2006 ラフ・シモンズ アシスタントデザイナーを務める
2008 ~ 現在に至るまで、 N.ハリウッド 企画チームに在籍
2015 自身のブランド「ALMOSTBLACK」を立ち上げる
2021 プロ eスポーツチーム REJECTによるアパレルブランド「REJECT」のディレクターに就任
 



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